委員長 伊藤 慎悟
勉学の機会均等が保障され、全ての子どもたちが平等に知識を養う仕組みが整備された現代では、個人を分け隔てなく扱う画一的な教育が推進されてきました。そして、ポスト現代となり多様性が注目され始め、激しく変容する社会の中で従来の“一律”から“個”を尊重する動きがあります。しかし未だ教育の現場では、限られた評価軸で他者との優劣を付け序列化しており、個々の多様性を十分に汲み取ることができていません。子どもたち一人ひとりが自分の能力や可能性を探求しながら、適材適所で地域社会に役立てる自分、すなわち「自己有用感」を自認し、将来に希望を持つことが今求められていると考えます。そのためには、子どもたちの自尊心を高めるとともに、自らの“個”を活かし生きていく地域社会への理解を促す必要があるのではないでしょうか。
まずは、未来の責任世代となる子どもたちに対して、自らの個性や価値観を見つめ直し、地域社会で生きていくためにひとりの個人として何を期待されているかを学んでいただき、自己の自尊心を呼び起こします。そして、社会において人間関係を正しく結ぶために、他者との差異は優劣のみで測れないことを理解していただき、その受容を促しお互いに持つ個人の尊厳を認めていただきます。さらに、数多の個性からなる社会と、社会の土台となる地域の全容を捉えることで、豊橋という多様性溢れる地域社会の中で一個人としてどう行動すべきかを主体的に考えていただきます。また、ひととまちの多様性を適材適所で活かすことが、自らの属する地域社会の発展に繋がるという体験をしていただくことで、次世代のまちへの関心や地域の課題に対する当事者意識の芽生えに繋げます。それが、社会の中で役に立てるということを自分自身が認めるきっかけとなり、子どもたちは未来の「希望」として生き生きと優しく力強い存在になることができます。
未来の責任世代となる子どもたちが、自他の個性を尊重することのできる人材になることで、彼らが公平に夢を描き、生き生きと希望を持ち目標に向かって努力のできる環境が形成されていきます。その様な彼らは、自分と他人を大切にすることができ、地域社会に対する深い理解と愛着を持ち、柔軟な思考でこのまちの様々な課題に対して積極的に取り組むことのできる人材なのです。それこそが、誰一人取り残さない柔軟な地域社会であり、そしてその意識が次々世代、またその次へと絶え間なく継承されていくことで、明るい豊かな社会の実現に繋がると確信いたします。
副委員長 加藤 享祐 |
副委員長 平松 大地 |
卒業生 姉川 哲也 |
卒業生 斎藤 久義 |
委員 柴本 晃基 |
委員 田中 孝宗 |
委員 中村 瑠美 |
委員 平野 達也 |
委員 古池 もも |
委員 渡部 將太 |
新入会員 金子 佳祐 |
新入会員 杉田 吉講 |
新入会員 鈴木 雅啓 |
新入会員 堀江 則光 |